米投資銀行CLSAは2月に日本全国に12ヶ所のカジノを含む統合型リゾートIRを開業した場合、その市場規模は年間で400億ドルの収益を生み出す巨大市場になると発表しています。
ただ、世界最大の市場規模であるアメリカが収益激減によるカジノの閉鎖が続出している現状を考えておかなければなりません。
この背景には、収益の減少はもちろんのこと税収増を狙った州政府がカジノライセンスを乱発することによる過当競争が招いた結果です。
さらにオンライン型カジノの成長により、わざわざカジノに出向く必要性が失われ、カジノそのものが衰退産業化しているとの指摘もあります。
アメリカカジノ市場の現状は、短期的な利益だけを評価して国策として進める危険性を示しているのではないだろうか?
もちろんすべてが危険というわけではなく、同じでIRで成功したシンガポールを例にとってみると、懸念されるギャンブル依存症への対策として自国民の入場規制を施し、カジノライセンスの発行に制限をかけ、過当競争を抑えることで成功に導いてます。
日本のカジノが成功するためには、カニバリゼーションの回避をいかにするかということになります。
日本国内の消費の置き換えが起こってしまうだけでは、経済として発展するどころかますます地域格差を生んでしまうだけになってしまいます。
つまり、外国からの観光客やギャンブラーをどれだけ確保することができるかが成功への鍵を握っていると言えるでしょう。