数年前までのカジノと言えば、アメリカラスベガスが世界でナンバーワンの地位と知名度を誇っていましたが、現在ではカジノと言えばマカオやシンガポールと言った風にアジア勢が市場を席巻していると言っても過言ではありません。
日本でもカジノ解禁を巡って法案成立を目指し奮闘しています。
多くの日本人が抱くカジノのイメージとは、華やかで高貴なモナコのカジノ等を想像すると思いますが、アジアのカジノ実態は違います。
『マカオやシンガポールがなぜ急激に市場を拡大できたのか?』と言うことが大きくかかわってきます。
そもそも日本がカジノ解禁に向けてモデルとしているシンガポールのカジノが成功した大きな理由は中国人富裕層の招致に成功したからです。
マカオ、シンガポールのカジノ市場の成功は一部のVIP客によって支えられており、その背景にはマネーロンダリング(資金洗浄)の存在があります。
中国ではタダ同然で手に入れた農地を商業地にする開発事業を地方政府ではなく、傘下の企業が行いここに出入りしているデベロッパーが請け負う形が一般的になっており、この時に便宜を図ってくれる地方役人にお礼をするためにカジノが使われているのです。
そのまま渡してしまえば賄賂となってしまいますが、マカオに招待してカジノで数億円を勝たせる仕掛けを施すことにより、ギャンブルで大勝ちしただけと収賄を逃れることができるわけです。
収賄とマネーロンダリングのために使用されているからこそ、急激な市場拡大に繋げることができたと言えるでしょう。
つまり、日本にカジノを開業するだけでは十分な収益を上げることができないのではないのかと言うところに懸念を抱きます。
メリットとデメリットを兼ね備えているカジノに対して、慎重な討論を求める声があるのは至極当然のことであり、解禁するのであればデメリットへの対策を十分に考慮しておく必要性があります。